ミライト・ホールディングス

新卒採用
2022

PROJECT STORY

東京

培った通信インフラの技術を、
水道事業にも活かしていく

東京都は以前から水道設備の老朽化に伴う更改工事を実施してきたが、東日本大震災に伴う水道管被害が多発したことを踏まえ、かつ今後高い確率での発生が予想される首都直下型地震の備えとして、水道インフラの耐震対策を積極的に推進している。ミライトは、従来から培ってきた通信インフラのノウハウを活かして水道事業に参入。その一環として受注したのが、江東区常盤における水道管耐震化工事だった。

プロジェクトの概要

事業目的

水道管耐震化対策

施工場所

江東区常盤の住宅街

工程

配水本管及び配水小管合計約400mのうち、約100mを「推進工事」で実施

推進工事とは?

水道工事で通常行われる「開削工事」に対して、難易度の高いのが「推進工事」の工法。工事区間の両端に立坑を設置し、そこから水道管を地中に入れて繋ぎ合わせるため、工事が地表で行われることがなく、都市環境への影響を最小限に抑えることが可能になる。

なぜこの工法を?

住宅街という環境から、開削工事の掘削による配水管敷設では、地域住民への日常生活等に影響が大きいと自治体が判断。周辺地盤に関する影響を最小限にするために、推進工事の工法が採用された。

STORY 01

難易度の高い「推進工事」への挑戦が始まった

今回のプロジェクトは、通常の開削工事とは異なる、難易度の高い「推進工事」の工法が義務付けられていた。自社の技術評価を高めるために、何より地域の重要なインフラ構築のためにも失敗は絶対に許されない。しかも、施工現場にはいくつかの難点があった。工事エリアは地下水位が高くて土質も緩く、水道管を入れるための立坑を深く強固なものにする必要がある。また事前の調査で土壌にメタンガスが含まれていることが分かり、防爆措置が必須に。さらに住宅街という環境から住民への丁寧な説明も欠かせなかった。

この難しい水道工事の現場を任されたのが、入社13年目の監理技術者・大石剛。実は彼自身、水道の推進工事は初めての経験だった。大石は「施工業者の職人さんなど20数名の現場で、工程管理や技術指導を行うのが私の主な役目でしたが、最初は毎日が緊張の連続。とにかく安全管理を重視し、メンバー間で緊密なコミュニケーションを取りながら工事を進めていきました」と振り返る。彼にとって「初めての工法でもあり、正直不安ばかりのスタートでした」という推進工事が、18年2月にスタートした。

STORY 02

「通水確認!漏水なし!」歓喜の瞬間を迎えた喜び

目で確認できない地中で、水道管を押して配管する難しい工事だけに、不測の障害に直面して一歩間違えば事故につながるリスクがつきまとう。だが、現場の作業員と気心が知れるようになるにつれて、不安よりも楽しみが勝るようになっていったと大石は言う。「推進工事の中身を職人さんが丁寧に教えてくれ、現場のチームワークと共に心強さは増していきました。土木工事は常に新しいことへの挑戦で、毎日が学びと発見の連続。一つひとつの工程をクリアしていく達成感がその都度あり、やりがいを感じる日々でした」と話す。

そして、工事完了を1カ月後に控え、地中の水道管に通水する日を迎えた。通水後24時間の水圧テストを行うが、もしも水圧が下がれば漏水の可能性が高い。漏水すれば、施工不良で一から掘り直しになる。莫大な損失はもちろん、工期の遅れは必至だ。作業員全員が緊張しながら結果を待つなか、通水から24時間後、結果の報告があった。「水圧低下なし。通水確認。漏水なし!」作業員に報告を行うと、一同が歓喜の表情に。大石も「感動しました。ベテランの職長さんも大喜びで、『これで飯食ってこい!』って職人さん皆にお金を配るほどで(笑)」忘れられない瞬間になった。

実はこの日の数日前、首都圏を台風19号が直撃した。嵐が去った夜中の1時過ぎに、工事現場に立っていたのが大石だった。心配でいてもたってもいられず、現場を見るために駆け付けたという。「雨で水が溢れていないか、陥没が生じてないかなど心配で。何事もなくひと安心でした」。もうすっかり、数々の修羅場をくぐり抜けて推進工事を自分のモノにした、リーダーの顔になっていた。

STORY 03

社員のチャレンジ意欲を育む環境がここにはある

ミライトが請け負う工事の中で、水道事業の歴史はまだ浅い。だが、その社会的意義も踏まえ、今後多くの案件を受注できる体制の確立を進めている。そのためにも有望な社員を仲間に加え、さらなる技術力の向上を図らなければならない。その一人が、女性技術職の有望株、早野智恵。民間土木中心の会社から、公共工事をやりたくて2019年4月に入社した。

いま彼女は水道事業に従事し、大石とはオフィスのデスクを並べる仲。別の現場で、水道の耐震継手化に伴う配水小管布設替工事を担っている。早野は「水道工事が未経験の私に、大石さんが隣の席で図面を描いて丁寧に教えてくれます。先輩方がすごく面倒見がよくて、自分の時間を割いてでも見てくれるのでありがたいです」と笑顔を見せる。

そしてもう一人、新卒入社1年目の期待の星が、現在は通信系工事を担当する永田朗人だ。大学で土木を専攻し、研究室で防災を学んだ経歴の持ち主。入社後の研修で水道工事に接し、その耐震化対策に興味をもったという。「水道工事は老朽化と併せて耐震化を目的とした取替工事です。漏水防止のほか、大規模地震での水道管離脱を防ぐ耐震対策も目的としているなど、市民生活や命に係わる水道事業に携わってみたいという気持ちを強くしています」と話してくれた。

こうした新たな人材が活躍できる場として、水道事業はとても楽しみなセクションだ。推進工事への挑戦機会を大石に与えて成長を促したように、3人とも「ミライトは挑戦したいという意欲に応えてくれる会社」と口をそろえる。そして「頑張ればきちんと評価して、チャンスも与えてもらえるから、新たな業務にもチャレンジできる」と意欲的だ。水道など生活に不可欠なインフラを支え、社会貢献をやりがいに変えられるミライトの仕事。その手応えがいっそう感じられた時、人としての成長もまた加速していくといえそうだ。

京都

無電柱化による美しい街づくりを実現する、
ミライトの技術

無電柱化は都市景観の向上、事故の防止、バリアフリーなど多様な視点から日本のさまざまな街で行われている。火災などの防災上の理由、また地震や河川の氾濫などの災害時に、電柱の転倒の二次被害を防ぐ目的もある。ミライトは、そうした無電柱化工事を数多く手掛けてきた高い実績をもつ。今回、京都有数の花街・先斗町で実施された同工事は、日本で初めての工法が採用された注目すべきものだった。

プロジェクトの概要

事業目的

無電柱化事業

施工場所

京都市中京区石屋町~柏屋町

工程

道路延長=490m、道路幅員=1.6m~4.4m・対象電柱=18本・地上機器数=30基

「先斗町方式」とは?

道路の両側に配置する小型ボックス内に電線を集約する工法で、ガス管や水道管など他のライフラインとの共存が可能になる。無電柱化の新たな手法として国交省で推進され、地上機器の地中に設ける電力桝のサイズも縮小できるため、地上機器設置の際の負担の軽減にもつながる。

なぜこの工法を?

先斗町通りは道路の幅が1.6~4.4mと非常に狭く、その中に水道やガス等のライフラインが埋設されていた。通常の工事ではライフライン等占有物件の移設を行い、電線共同溝の設置スペースを確保するが、先斗町通りでは幅員の狭さがネックとなり、従来の整備手法で行うことが困難だった。

STORY 01

日本初の「低コスト工法」による無電柱化工事

「先斗町通り」は京都市中心部の中京区に位置し、鴨川と木屋町通りの間にある約490mの南北の道路。先斗町は京都市内有数の観光名所である京都五花街の一つであり、京都市市街地景観整備条例に基づく「界わい景観整備地区」に指定される由緒ある街だ。その先斗町で無電柱化が持ち上がったのが2013年。景観対策のために、通りの店主らが無電柱化の実施を願い、京都市に要望を出して工事が決定した。

しかし、工事に際して難題があった。先斗町通りは最小1.6mと道路幅が極端に狭いため、電線すべてを埋め込むスペースが足りない。また電柱・電線をなくすには、地上に特殊な箱(通信桝)の設置が必要だが、先斗町通りには十分なスペースがなかった。それらの課題を解決したのが、2015年に国交省が開発した、電線を集約して小型ボックスに入れて地中に埋設する工法。通信桝の小型化にも成功した、この新しい低コスト工法をミライトが受注し、「先斗町式」の電線共同溝工事が2017年に始まった。

STORY 02

制約の多い繁華街ならではの障害に直面した

先斗町通電線共同溝工事は、日本初の工法による国交省のモデル工事ということもあって、自治体や大学、関係業界から多くの見学者が来訪したほか、NHKも取材に来るなど注目を集めた。ミライトにとっても新境地となるこの工事を現場代理人として任されたのが、入社9年目の中西広基だ。若手社員に新しい工事のノウハウを学んでほしいという期待を込めての起用だったが、「最初に話を聞いたときには、どちらかというと心配や不安のほうが大きかったんです」と中西は振り返る。

工事自体の難しさに加え、先斗町通りは昼夜問わず人通りの多い繁華街。店舗の営業時間を考慮し、工事は夜中の1時~朝10時での深夜帯での実施を余儀なくされた。また繁華街とはいえ居住者の方もいることから、深夜の作業は騒音への配慮も必要だった。だが中西は、「私は学生時代から都市景観に興味があり、無電柱化工事は街の景観対策や防災が目的ですからやりたい仕事という気持ちはありましたし、次第にモチベーションは高まりました」と監督業務に前向きに取り組んでいった。

実際に掘削してみると、やはり道路幅員が1.3mほどの狭い環境で配管の新設を行うため、ガス管や水道管など他の埋設設備と輻輳する場面が多くあった。移設工事の施工調整を行う必要が多々生じるなど、施工前には分からなかった課題が、工事開始後に判明することも少なくなかったという。

「他社との調整を丁寧に行いながら、どう対処していくかは監理技術者である上司と相談して決めていきました。意見が食い違うときもありましたが、所長は私の意見にもしっかりと耳を傾けてくれて、考えをすりあわせながら工事を進めていきました」と中西。様々な障害を取り除きながら、着工から約2年が経過した2019年10月。先斗町通りの北側半分の電柱と電線は視界から消え去り、通りの景観は大きく変わることとなった。

STORY 03

住民の方々の言葉がモチベ―ションにつながる

無電柱化工事が終わった区間の先斗町通りは、以前よりも歩きやすくなり、通りから見る空も広くなったように感じる。「たまたま私が現場で確認をしているときに、地元の店主の方が『目の前の電柱がなくなって本当にスッキリしたし、通りも広くなった。感謝しているよ』と言ってくださって。とてもうれしかったですね」と中西は笑顔を見せる。

そして今回の取材では、ミライトの西日本土木部に所属する、入社3年目の期待の技術者・武山英正にも話を聞いた。これまで無電柱化工事に補佐の立場で携わったことのある彼は、そのやりがいをこんなふうに語ってくれた。

「私は普段はNTTの通信地下設備工事の監理業務が中心なのですが、その場合自分の仕事の結果を見てくれるのは、元請けのお客様だけなんですね。一般の方には、工事が終わってもどこがどう変わったのかはなかなか分かりませんから。それが無電柱化の工事では、変わった点が一般の方にもはっきりと分かり、感謝の言葉や『良かった』という声を直接聞くことができます。それはとてもうれしいことですし、仕事のやりがいにつながります。そうした無電柱化工事に、これからもっと携わることができたらいいなと思います」

景観対策はもとより、災害に強い街づくりのためにもいっそうの推進が期待される無電柱化工事。実は世界的に見ても、ロンドンやパリは既に無電柱化率がほぼ100%であるのに対し、日本の場合は東京23区が8%、大阪市は6%程度と非常に低い。都市インフラ整備の重要な一つとして必要性の高まる工事だけに、これからの日本の土木技術を担う若い人材に、ぜひ関心を高めてもらいたいと願っている。

シゴトとヒトを知る